今日は私が卒業した慶應義塾大学通信教育課程を紹介させていただきます。
- 高卒で大学資格を得たいと考えている人
- 大学を中退していて、もう一度大学にチャレンジしたい社会人
- 学歴にコンプレックスのある大卒の社会人
私は、かつて4流私立大学で経営と情報技術を学んでいました。
その4流大学入学するにも浪人してしまうほど頭の良くない私でしたが、勉強すること自体は好きで、授業は真面目にうけていました。
ところが在学中に父親が入院し、家計が悪化したため、やむなく退学をしました。
大学の就職支援を受けることができなかったため、仕方なく、在学前からアルバイトとして働いていたテニスコーチを本業にして、親元に居候することにしました。
周りの友人が就職し、順調にキャリアを積んでいくな中、自分だけが取り残される焦燥感はとてつもなかったことを覚えています。
そのような中、ある時目に止まったのは、日経新聞に掲載されていた慶應義塾大学の通信教育課程の募集広告でした。
慶應義塾大学といえば、私のとっては夢のまた夢。
でも、
「ひょっとしたら、自分も普通の会社に就職し、普通の人生を歩めるかもしれない」
そう思い、当時の入塾(慶應では入学ではなく入塾といいます)試験課題である小論文を提出しました。
藁にもすがる思いでした。
小論文のテーマは、「慶應義塾に入塾して何をしたいか」というものでした。
心を込めて、自分の生い立ち、思い、将来の夢を限られた文字数の中で精一杯語りました。
結果は無事合格でした。
私は1998年10月に慶應義塾大学文学部 英文学専攻で入学しましたが、1年目の夏のスクーリングで慶應義塾大学の法学部の講師の質の高さに魅力を感じ、で法学部に転部しました。
その後、転職、結婚、転勤などがあり、12年をかけて、なんとかギリギリで卒業しました。
慶應義塾大学通信教育課程の厳しさ
慶應義塾大学は他の大学の通信教育課程と異なる点は、
「単位認定が厳しく、卒業者の数が圧倒的に少ない」
ということです。
退学率は90%に及びます。
その理由は、慶應義塾大学通信教育課程は正科生として、各部の通学過程と同じ学位を取得できる反面、単位認定の厳しさも通学過程と同じだからです。
因みに私の卒業した法学部の2010年の卒業生数は23人、入学定員は2000人ですから、卒業率は当時約1%でした。(今は20%ぐらい)
このように単位取得が難しさから、在籍年数も長くなります。
高卒の資格で入学した場合、最低在籍年数4年、最長在籍年数12年ですが、卒業生の平均在籍人数は8年です。
とくに慶應義塾大学通信教育課程の厳しいところは、
通学過程と同様の124単位が卒業要件となっていて、そこには、卒業論文が含まれていることろです。
特に仕事や家事をこなしながらのレポート・論文作成、スクーリングはかなりハードでした。
私はこの卒論がなかなか認められず、卒業までに合計12年をかけてしまいました。
それでも、慶應義塾大学の通信教育課程にチャレンジする意味、やりがいは大いにあると思っています。
慶應義塾大学の通信教育課程で取得できる学位
慶應義塾大学通信教育課程は、文学部・経済学部・法学部の3つの学部に設けられています。
因みに、「通信教育部」という学部は存在せず、各学部にそれぞれ、通信教育課程が置かれています。
つまり、それぞれの通信教育課程を卒業すれば、通学生と同じ「学士」の学位を取得できます。
- 学士(哲学)
- 学士(美学)
- 学士(史学)
- 学士(図書館・情報学)
- 学士(人間関係学)
- 学士(経済学)
- 学士(法学)
卒業要件と卒業で得られる資格も通学生と通信生とで違いがありません。
学習方法
通信方式での学習と、スクーリングおよび卒業論文(8単位)を履修する必要があります。
レポート:各科目のテキストを読み、レポート課題に応じたレポートを作成し提出します
科目試験:レポート提出後、当該科目の科目試験への受験申込が可能となる。(試験会場は主要都市で開催されますので比較的地方の方でも履修しやすいです)
各科目において科目試験とレポートの両方に合格することで該当科目の単位を修得することができます。
決められた最低数を満たす単位数はスクーリングから取得する必要があります。
スクーリング会場は、東京三田、神奈川日吉、大阪の3箇所のみです。
一定の単位数を取得し、在籍期間を経過すると、卒業論文指導の登録が可能になります。
卒業論文指導担当の講師と対面またはゼミ形式での卒論指導が年2回行われます。
卒業論文の提出には卒業論文指導教員の許可が必要で、そう簡単には許可がおりませんので、覚悟が必要です。
晴れて卒論提出が許可されて卒論を提出できたら、卒業試験が行われます。
卒業試験は面接形式で行われ、卒論の内容やその分野の理解度が問われます。
慶應義塾大学通信教育課程の卒業資格は転職に使えるか?
私の答えはYesです。
慶應義塾大学の通信教育課程はおそらく、通信制をおいている大学の中で最高レベルの教育を維持していますし、ブランド力も高いです。
したがって、通信制の大学を検討している方には是非選択肢に入れてほしい大学です。
慶應義塾大学通信教育課程を卒業した著名人
- 古川俊治:文学部・法学部・医学部(通学課程)卒業、医師・医学博士(慶應義塾大学)・弁護士・政治家(元慶應義塾大学教授)
- 水野晴郎:文学部卒業、映画評論家
- 三好京三:文学部卒業、小説家
- 本間千代子:文学部卒業、歌手・女優
- 稲川素子:文学部卒業、芸能プロモーター
- 今高城治:文学部卒業、作家・獨協医科大学医学部小児科学准教授
- 齋藤ゆみ:文学部卒業、看護学者、博士(自治医科大学)、看護師(獨協医科大学大学院看護学研究科特任教授、元京都大学大学院医学研究科教授)
- ルイ・フランセン:文学部卒業、芸術家
- 高部知子:文学部卒業、俳優、作家、精神保健福祉士(元わらべ)
- 柳川範之:経済学部卒業、経済学者、博士(東京大学)、東京大学大学院経済学研究科教授
- 加納時男:経済学部卒業、政治家(元国土交通副大臣)
- 平山幸司:法学部卒業、政治家(元参議院議員)
- 矢口敦子:文学部卒業、小説家
大卒資格はいらない?
しばしばベンチャー企業の社長などが、「大卒資格はいらない」といったり、高卒社長を自負したりしていますが、それは半分正解で半分間違っていると思っています。
「大卒」を単なる「資格」としてとらえるならば、それは実業や実生活においてあまり役に立つものではありません。
たしかに、慶應義塾大学の「学士」という学位は、それ自他は単なる学位にすぎないです。
しかし、そこでえられる経験は、真の「学問」をする経験です。これは人生においてそう多くある機会ではなく、貴重な経験となります。
以前中退した4流大学と慶應義塾大学通信教育課程を比較した私が得た実体験として言います。
慶應義塾大学通信教育課程の真価は、単なる学位ではなく、そこでの経験にあるのです。
慶應義塾は福沢諭吉先生(慶應義塾では福沢諭吉先生以外の人はすべて「社中」とよび、先生は福沢先生のみ)の建学の志を綿々と受け継いでいます。
塾は学問の場であり、単なる学位の取得を目的とした場所ではないのです。
また、通信教育課程は年齢・職業など属性がバラエティに飛んでいて、通学制とは異なり、「4年間で卒業して、就職する」というようなメインスキームが存在しなことから、自らプランを立てて、実行する必要があり、自主性も要求されます。こういった点も、慶應義塾通信教育課程で得られる重要なスキルたと思います。
まとめ
慶應義塾大学通信教育課程は、卒業後の転職、ひいては人生に多くの恩恵もたらしてくれました。
また12年もかけてしまいましたが、やり遂げたという自信、それまでは何に対しても中途半端で終わってしまっていた自分に自信を与えてくれました。
慶應義塾大学通信教育課程は誰でも卒業できる大学ではありませんが、チャレンジする価値は大いにあると思います。
最後に、慶應義塾大学通信教育課程リンクを置いておきますので、
興味のある方は是非資料請求してみて下さい。