今日は転職に関するおすすめのKindle本をご紹介します。
北野 唯我さん著の『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』です。
この本は、とくに大学生~20代、遅くても30代の方が読むと、その後のキャリア形成に良い影響が出ると思われます。
私にとっては、出来れば20年前に出会いたかった本です。
この本を読んでわかること
- 会社をやめるタイミング
- 転職先の希望年収はいくらにするべきか
- 自分のマーケットバリューの測り方
- 「中途で入るべき会社」と「新卒で入るべき会社」の違い
- 「やりたいこと」を探す意味
この本は、転職活動に悩む青年と敏腕コンサルタントが登場する小説形式になっていて、読みやすいところも特徴です。
第1章 仕事の「寿命」が尽きる前に、伸びる市場に身を晒せ 「一生食える」を確保する4つのステップ
第2章 「転職は悪」は、努力を放棄した者の言い訳にすぎない 「組織の論理」が人の心を殺すとき
第3章 あなたがいなくなっても、確実に会社は回る 残される社員、ついてくるパートナーとどう向き合うか
第4章 仕事はいつから「楽しくないもの」になったのだろうか? 心から納得のいく仕事を見つけるために必要なこと
「一生食える」を確保する4つのステップ
- STEP
自分のマーケットバリューを測る
自分のマーケットバリューは転職活動中は比較的気付きやすいものですが、普段から自分を「商品」と捉えて、会社に価値を提供し、その対価として、会社から「給料」と「経験」を得ている感覚が必要です。
この本では自分のマーケットバリューの要素を
- 技術資産
- 人的資産
- 業界生産性
と定義し、給料の期待値はこれらの掛け算、つまり、
給料の期待値=技術資産 × 人的資産 × 業界生産性
としています。
技術資産の内訳- 専門性:20代のうちに身につけるべき
- 経験:30代以降に優先
人的資産- 人脈のこと
- 年を摂るに連れ重要度が増す。特に40代以降で重要
業界の生産性- その業界の労働者1人あたりの生み出す価値。1人あたり粗利
伸びている業界は上りのエスカレ-ター。
衰退産業は下りのエスカレーター。
- STEP
今の仕事の寿命を知る
これは、MBAの講義でも出てくる「企業のライフサイクル理論」とに似ています。
自分の仕事がライフサイクルのどこに位置するかを知ることが重要で、自分のマーケットバリューにも影響します。
- STEP
強みが死ぬ前に伸びる市場にピボットする
「ピボット」とは方向転換のことです。
「軸となる強みを」基礎とし、自分が置かれている業界の賞味期限が切れる前に、新たな強みを手にい入れ、「軸となる強み」との掛け合わせでキャリアをピボットします。
- STEP
伸びる市場の中から、ベストな会社を見極める
複数のベンチャーが参入し、しかもその各社が伸びているサービスは伸びる市場です。
- 伸びるマーケットには、いずれ大企業の競合となるような急成長中のベンチャーが複数いる
- 100万人が参加しているゲームで1番を目指すのではなく、いずれ100万人が参加するゲームに一番乗りすること
- そのゲームを見極めるカギは、業界の非効率を覆す強固な「ロジック」があるかどうか
そういえば、いわゆる「年金問題」がいわれるようになり久しいですね。
年金問題とは、少子高齢化の進展により高齢者(年金受給者)の比率の急増と、積み立てられた年金原資の運用利回りの低下で公的年金の運営状況が悪化している問題です。
2020年4月から、年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする年金改革法案が審議入りしました。
ますます、「一生食える」キャリア形成のノウハウは重要度を増していくと考えられます。
著者:北野 唯我 さんについて
兵庫県宝塚市出身。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。米国・台湾留学後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年にハイクラス層を対象にした人材ポータルサイトを運営するワンキャリアに参画し、最高戦略責任者に就任。2019年よりレントヘッド代表取締役を兼務。テレビ番組のほか、日本経済新聞、プレジデント、NewsPicksなどのビジネスメディアで専門家としてコメントを寄せる。
『転職の思考法』の評判
辞表を書けば楽になる
会社勤めにモヤモヤした気持ちを抱えているなら、一度は読むことをおすすめします。
転職と銘打ってはいますが、要約すると、働き続けるための知恵を説いている本なので、生き残る術を身につけるためにも役立ちます。
会社組織は仕事をする場所であるにもかかわらず、そこにいることが目的になってしまっていないか。
どこでも通用する立ち回りを身につければ、組織のしがらみから解放されて自由になれる。
そんなことを教えてくれます。
仕事とは、生きるとは、から考えさせられる本
転職を既に考えてる人だけでなく、そもそもお金以外に働く意義を見出せない人や働いたことがない就活生にも読んでほしい一冊。「仕事とは」「生きるとは」から考えさせられるます。(後半部分で触れてるので、そこから読んでも良いかと。)
決して強みを活かす転職のノウハウが書かれているわけではなく、強みも経験もない、やりたいこともわからない、そんなごくごく“普通の人”に向けたメッセージがたくさんあります。
個人的には「やりたいこと」や「やりがい」を求められる社会の風潮が嫌いだし、考えることも避けていました。本書では「すべての人がやりがいを求めなければいけないわけではない」という視点に立ちつつ、それでもなおやりがいを求めることがどう大事なのか、優しく教えてくれました。「重要なのは、どうしても譲れないくらい『好きなこと』など、ほとんどの人間にはない、ということに気づくことなんだよ。」という切り口もよかったです。
もちろん“普通の人”に向けた具体的なノウハウも詰まっており、普通の人は成長産業に身を置くことが大事という切り口から成長産業(会社)の見つけ方に多くのページ数を割いて解説しています。
転職するしないに関わらず、“いつでも転職できる”という選択権を持つことで人は自由になれる、という著者の思いを感じながら読んでほしいです。
転職についてまだ考えていないという人も、是非一度手にとってみてほしい一冊です。
転職の思考法とは
どんな本でもそうなのだけれど、読む前と読んだ後で「変化」があるものが良書だと思っている。
この本はまさに転職、ひいては仕事をすることについて変化をもたらすものであると思う。
一番印象的かつ、心に残ったのは
to do型の人間と、being型の人間がいること
と
自分にラベルを貼ること
このトピックだけでもこの本を買った価値があった。
昔から「やりたいこと」という言葉に振り回されてきたが、この本ではそれに対して結論を出している。
そして、自分がどうあるべきか、という根源的な問いを考えるきっかけをくれた。
転職に迷っている方、自分はこのままの働き方でいいのか、と考えている方におすすめ。