【行政書士試験】LECの「厳選!直前ヤマ当て模試」で間違えてしまった致命的な肢をヒントに行政不服審査法をまとめてみました

昨日、会場受験したLECの「厳選!直前ヤマ当て模試」ですが、この模試はオンラインでの解説講義がつかないようで、LECの会員ページに行っても講義を見ることができませんでした。

ですので自分で解説をしっかり読んで、復習・確認をする必要があります。

問題そのものを掲載することはできないので、関係条文を掲載します。

処分についての審査請求に対する裁決(行政不服審査法) 重要度A 難易度普通 

行政不服審査法50条 裁決の方式

裁決は、次に掲げる事項を記載し、審査庁が記名押印した裁決書によりしなければならない。

一 主文

二 事案の概要

三 審理関係人の主張の要旨

四 理由(第1号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる場合である場合には、異なることとなった理由を含む。)

2 第43条第1項の規定による行政不服審査会等への諮問を要しない場合には、前項の裁決書には、審理員意見書を添付しなければならない

3 審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をする場合には、裁決書に再審査請求をすることができる旨並びに再審査請求をすべき行政庁及び再審査請求期間(第62条に規定する期間をいう。)を記載して、これらを教示しなければならない。

私が知らなかったポイントは上記の行政不服審査法50条2項、行政不服審査会への諮問をしていない裁決書には、審理員意見書を添付し、そうでない場合は添付しないという点でした。

行政不服審査法の条文 重要度A 難易度易

この問題は、行政不服審査法の条文そのものを問う問題で、私の暗記不足が露呈しました。

行政不服審査法13条 参加人

利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。

2 審理員は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該審査請求に参加することを求める事ができる。

3 審査請求への参加は、代理人によってすることができる。

4 前項の代理人は、各自、第1項又は第2項の規定により当該審査請求に参加する者(以下「参加人」という。)のために、当該審査請求への参加に関する一切の行為をすることができる。

ただし、審査請求への参加の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。

私はしばしば、「審査庁」なのか「審理員」なのかで迷ってしまいます。

ここで、審査手続きのにおける主体をまとめてみます。

審理員が主体としてすること
  • 利害関係人の参加の許可(13条1項)
  • 利害関係人に対し参加を求める(13条2項)
  • 審査請求又は審査請求録取書の写しを処分庁等に送付(29条1項)
  • 相当の期間を定め弁明書の提出を求める(29条2項)
  • 処分庁から弁明書の提出があったときに審査請求人及び参加人に送付(29条5項)
  • 反論書を提出すべき「相当の期間」を定める(30条1項)
  • 意見書を提出すべき「相当の期間」を定める(30条2項)
  • 反論書・意見書の提出があったときに参加人・審査請求人・処分庁にそれぞれ送付(30条3項)
  • 口頭意見陳述の申立てがあった場合に意見を述べる機会を与える(31条)
  • 口頭意見陳述の期日・場所の指定(31条2項)
  • 口頭意見陳述において補佐人の出頭を許可(31条3項)
  • 口頭意見陳述において事件に関係のない陳述の制限(31条4項)
  • 口頭意見陳述において申立人に質問を許可(31条5項)
  • 証拠書類、証拠物その他物件の提出期間を定める(32条3項)
  • 申立てまたは職権で書類その他の物件の所持人に対し提出を求める(33条)
  • 申立てまたは職権で参考人の陳述又は鑑定を求める(34条)
  • 申立てまたは職権で場所の検証(35条)
  • 申立てまたは職権で審理関係人に質問(36条)
  • 事件が複雑で錯綜している場合にあらかじめ意見聴取(37条)
  • 審査請求人又は参加人から書類・物件の閲覧・写しの交付を求められた場合に書類等の提出人に意見を聴く(義務、38条)
  • 審査請求人又は参加人への書類・物件交付の手数料の減額・免除をする(任意、38条5項)
  • 数個の審理手続を併合または分離する(39条)
  • 審査庁に対して、必要がある場合に、執行停止をすべき旨の意見書を提出(40条)
  • 審理手続きが終結したとき、遅滞なく、審理員意見書を作成(42条)
  • 審理員意見書を作成したとき、速やかに、事件記録とともに審査庁に提出(42条2項)

行政庁が主体としてすること
  • 裁決をする権限がなくなった場合に審査請求録取書、関係書類、その他の物件引継ぎ(14条1項)
  • 上記引継ぎがあった場合の審査請求人及び参加人への通知
  • 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者の審査請求人の地位の承継を許可(審査庁、15条6項)
  • 標準審理期間を定めて公にする(努力義務、16条)
  • 審理員となるべき者の名簿の作成と公にすること(努力義務、17条)
  • 口頭で審査請求する場合に、陳述の内容を録取し、陳述人に読み聞かせ、陳述人に押印させる(20条)
  • 誤った審査請求書の補正を命ずる(審査庁、23条)
  • 審査請求人が補正をしない場合に審査請求を却下裁決する(審査庁、24条)
  • 職権又は申立により執行停止する(処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁、25条2項)
  • 申立により執行停止(その他の措置はできない)をする(処分庁の上級行政庁、処分庁のいずれでもない審査庁、25条3項)
  • 申立てがあった場合に重大な損害を避けるために執行停止(義務、25条4項)
  • 執行停止の取り消し(任意、26条)
  • 弁明書を作成(29条3項4項)
  • 審理員意見書の提出を受けたら、行政不服審査会等に諮問する(43条)
  • 行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき、遅滞なく裁決をする(44条)
  • 審査請求を裁決で却下又は棄却する(45条)
  • 処分についての審査請求を裁決で認容する場合、裁決で当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又は変更する、ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、変更することができない(46条)
  • 処分についての審査請求を裁決で認容する場合で審査庁が処分庁の上級行政庁である場合、当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずる(46条2項1号)
  • 処分についての審査請求を裁決で認容する場合で審査庁が処分庁である場合、処分をする(46条2項2号)
  • 事実上の行為の審査請求を認容し、事実上の行為が違法または不当である旨宣言するとともに、審査庁が処分庁以外の場合、当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずる。ただし審査庁が処分庁の上級行政庁でない場合変更を命ずることはできない(47条1号)
  • 事実上の行為の審査請求を認容し、事実上の行為が違法または不当である旨宣言するとともに、審査庁が処分庁の場合、当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更する(47条2号)

まとめてみると、審理中の手続きについては、審理員が主体、審理が終結した後は主体が審査庁に移るようです。

2020年度行政書士試験は会場が大幅に変更されるようです

すでにご存じの方も多いかと思いますが、行政書士試験の会場が新型コロナウイルスの影響で大幅に変更になっています。

行政書士試験研究センターのホームページに掲載されていますので、受験予定の方でまだ確認されていない方は、ご確認ください。

https://gyosei-shiken.or.jp/

行政書士試験の合格基準

以下の要件をいずれも満たした者が合格とされています。

1)行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者(例年通りであれば122点以上)
(2)行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者(例年通りであれば24点以上)
(3)試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者(例年通りであれば180点以上)

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