今日も引き続き、過去問を5周解いてもいまだに間違ってしまう問題を取り上げていきます。
問題「何人も、法令に違反する事実がある場合において、法令違反の是正のためにされるべき処分がされていないと思料するときは、権限を有する行政庁に対し、当該処分をすることを求めることができる。」
解答:◯
行政手続法36条の3第1項のとおり。
本規定は、平成26年改正によって、国民が法令違反の事実を発見した場合に、その旨を申し出て是正のための「処分」を求めることができるようにしたものです。
問題「意見公募手続について、当該手続の実施について周知することおよび当該手続の実施に関連する情報を提供することは、命令等制定機関の努力義務にとどまり、義務とはされていない。」
解答:◯
行政手続法41条のとおり。
せっかく意見公募手続をするのだから、周知することは当たり前だと思いますが、周知することは義務ではありません。
問題「再調査の請求において、請求人または参加人の申立てがあった場合には、それが困難であると認められない限り、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。」
解答:◯
「聴聞の機会」「弁明の機会」いずれも請求人の請求があれば口頭で意見を述べる機会が与えられますが、再調査の請求においても同じ様に認められています。
行政事件訴訟法
問題「取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消を求めることができないが、この制限規定は、無効当確認訴訟には準用されていない。」
解答:◯
取消訴訟の主張制限に関する行政事件訴訟法10条1項は、38条1項・2項が準用していない。
このような準用規定はチェックが疎かになりがちだと思います。
また、この規定については、立法論として問題があると言われています。
問題:「取消訴訟について不服申立ての前置が要件とされている処分については、無効等確認訴訟についても、それが要件となる。」
解答:☓
行政手続法38条1項~3項は8条を準用していないので、無効等確認訴訟において不服申立て前置は要求されていない。
問題:「処分もしくは裁決の存否またはその効力の有無を確認する判決(無効等の確認判決)は、対第三者に対しても効力を有することが名分上認められた。」
解答:☓
平成16年改正においても、行政事件訴訟法38条は、取消訴訟の判決につき対第三者効を認める32条1項を準用していないため、無効等の確認判決について対第三者効を認めるという改正はなされていない。
無効等確認訴訟の規定はなにかと問題が多いイメージです。
問題:「不作為の違法確認訴訟は、行政庁において一定の処分を行わないことが行政庁の義務に違反することの確認をと求める公法上の当事者訴訟である。」
解答:☓
不作為の違法確認訴訟は「抗告訴訟」です(3条5項)。
「公法上の」という言葉に惑わされないように注意。
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