今日も、過去問5周目シリーズです。
今日は行政事件訴訟法です。
行政書士試験はやはり手強く、5周しても繰り返し間違えてしまったり、今まで間違えていなかった問題を間違えてしまったりします。
常識や感覚に頼りすぎずに、正しい条文知識を身につける必要がありそうです。
問題「民衆訴訟は、選挙人たる資格を有すものに限り、提訴することができる。」
解答:☓
民衆訴訟には、
- 選挙人たる資格に基づき提訴する選挙訴訟(公職選挙法204条)
- 自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する場合(行政事件訴訟法5条)
- 当該地方公共団体の住民たる資格で提起できる住民訴訟(地方自治法242条の2)
が含まれ、選挙人たる資格を有するものに限りません。
問題「機関訴訟は、法律に定める場合以外であっても提起することができる。」
解答:☓
行政書士試験訴訟法42条。
「民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。」
問題「取消訴訟を提起できるのは、その対象となっている処分または裁決に違法がある場合に限られる。」
解答:◯
当然”◯”なのですが、なぜか読み間違えて☓と解答してしまいました。
問題「医療法の規定に基づき都道府県知事が行う病院開設中止の勧告は、行政処分に該当しない。」
解答:☓
「勧告」は行政指導であり、相手がそれに従うかどうかは任意であるという知識がつくと、何となく、「行政処分」に該当しないように見えますが、判例(最判平17.7.15)によれば、医療法(旧)30条の7に基づき都道府県知事が病院を解説しようとする者に対して行う病院開設中止の勧告は、抗告訴訟の対象となる「行政処分」にあたると判断されています。
問題:「市町村の施行に係る土地区画整理事業の決定は、施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって、抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ、実行的な権利救済を図るという観点から見ても、これを対象とした抗告訴訟の提起を認めるのが合理的である。」
解答:◯
これは暗記するしかありません。
判例(最大判平20.9.10)は、市町村の施行にかかる土地区画整理事業の事業計画の決定は、これによって、その施行区域内の宅地所有者等が規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされるから、抗告訴訟の対象となるとしている。
問題:「登録免許税を過大に納付した者は、そのことによって当然に還付請求権を取得し、その還付がなされんたいときは、還付金請求訴訟を提起できるから、還付の請求に対してなされた拒否通知について、取消訴訟を提訴することは認められない。」
解答:☓
これも暗記するしかありません。
判例(最判平17.4.14)は、登記等を受けた者が登録免許税法に基づいてした登記機関から税務署長に還付通知すべき旨の請求に対し、登記機関の拒否通知は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとしている。
問題:「建築基準法42条2項に基づく特定行政庁の告示により、同条1項の道路とみなされる道路(2項道路)の指定は、それが一括指定の方法でされた場合であっても、個別の土地についてその本来的な効果として具体的な私権制限を発生させるものであり、個人の権利義務に対して直接影響を与えるものということができる。」
解答:◯
これも暗記が必要。
一見、みなし道路の指定は、不特定多数が対象であり、抗告訴訟としては不適切かと思われるが、
判例(最判平14.1.17)は、告示により一定の条件に合致する道を一括して指定する方法でされた建築基準法所定のいわゆる「みなし道路」の指定は、それが一括指定の方法でさあれた場合であっても、個別の土地についてその本来的な効果として具体的な私権制限を発生させるものであり、個人の権利義務に対して直接影響を与えるものということができるから、抗告訴訟の対象となる行政処分あたるとしている。
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