【行政書士試験過去問】5周しても間違えてしまった問題(行政手続法1)

今日は昨日に続き、過去問を5周解いてもいまだに間違ってしまう問題を取り上げていきます。

行政行為の撤回 平成7年 問35 肢4ほか複数

問題「行政行為の撤回は、常に処分行政庁および監督行政庁のいずれもがなしうる。」

解答:☓

一見、取消しも撤回もかわらず監督行政庁が取消しうるように見えますが、実は違います。

「取消し」は、行政行為に当初から瑕疵がある場合なので、指揮監督権の行使として監督行政庁もするいことができます(通説)。

これに対し、「撤回」は、性質上、新たに同一の行政行為をするのと同じであるので、処分権と裏腹の関係にあり、処分庁のみがなしうる。

行政立法の公定力・不可争力 平成12年 問8 肢1

問題「行政立法は、行政庁の処分と並んで公権力の行使であり、公定力・不可争力などの効力が認められる。」

解答:☓

行政立法も法で認められた立法作用なので、公権力の行使にあたりそうですが、実は「公権力の行使」にあたりません。

したがって、公定力も不可争力も認められません。

地方自治体の過料の賦課方法 平成元年 問42 肢4

問題「地方自治法に定める過料は、非訟事件手続法の定めるところにより地方裁判所において科される。」

解答:☓

この問題は、「国の法律違反に対する秩序罰」については、原則として過料に処されるべき者の住所地の地方裁判所において非訟事件手続法によって科されるので半分は正しいです(非訟事件手続法119条)。

しかしながら、「地方公共団体の条例、長の規則違反」に対しては長が行政行為の形式で科すことになっているので解答は「☓」となります(地方自治法255条の3)。

秩序罰の手続法 昭和63年 問40 肢5

問題「行政上の秩序罰として行政庁が過料を科すことがあるが、これについては、刑法総則の適用はない。」

解答:◯

秩序”罰”とありますが、刑罰ではないので、刑法総則の適用はありません。

聴聞・弁明を必要とする処分 平成18年 問11 肢3

問題:「聴聞は、不利益処分をなす場合にのみ実施されるが、弁明の機会は、申請者の重大な利益に関わる許認可等を拒否する処分をなす場合にも与えられる。」

解答:☓

問題文に「許認可等を拒否する処分」とあるが、これは、「申請に対する処分」であり、引っかからないように注意する必要がある。

「申請に対する処分」については、”処分の理由を示す”だけで足り、聴聞・弁明は不要です。

行政手続法に行政調査手続の通則はあるか? 平成26年 問10 肢ア

問題:「行政手続法には、行政調査の手続に関する通則的な規定は置かれておらず、また、同法は、情報収集を直接の目的とする処分・行政指導には適用されない。」

解答:◯

地方自治と混同しないように注意。

行背手続法には、行政調査の手続に関する通則的な規定は置かれていない。

また、報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行条必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分および行政指導は、適用除外事項です(行政手続法3条14号)。

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