今日は、昨日受講した、LECの「科目別答練【商法・会社法】」をご報告したいと思います。
「科目別答練【商法・会社法】」の内容
- 商行為概念
- 商号
- 商業使用人
- 代理商
- 商行為の通則
- 商人間の売買
- 匿名組合
- 運送営業
- 設立
- 発起設立
- 募集設立
- 設立
- 設立における発起人の責任
- 機関の設置
- 役員等の選任・解任
- 株主総会
- 株主総会の決議の取消しの訴え
- 取締役
- 取締役会
- 取締役会
- 取締役の競業取引・利益相反取引
- 監査役・監査役会
- 会計参与
- 会計監査人
- 指名委員会等設置会社
- 監査等委員会設置会社
- 役員等の任務懈怠責任
- 役員等の第三者に対する責任
- 責任追及等の訴え
- 取締役の行為の差止め
自己採点の結果
自己採点の結果は30問中16問正解、120点中64点でした。
正答率は53%。
点数はあまり良く有りませんでしたが、会社法は特に、受験者も手薄になる部分だと思うので、集計結果をみて判断したいと思います。
チェックした論点
とはいえ、この答練で問われている論点は基本的な部分がメインです。
今回の答練で間違えたり、注意が必要だと思ったポイントを整理しました。
支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する(商法21条1項)
私のイメージでは、ふつう、「支配人」はそれほど偉くないというイメージでしたが、商法の「支配人」は、裁判上の行為も行う権限をもっていることに気が付きました。
代理商は、商人の許可を受けなければ、
- 自己または第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること
- その商人の営業と同種の事業を行う会社の取締役、執行役または業務を執行する社員となることができない
(商法28条1項)
これに対し、
- 代理商みずからが営業を行うこと
- 他の商人または会社もしくは外国会社の使用人となること
については、商人の許可は必要ない。
物品運送契約は、運送人が荷送人からある物品を受け取りこれを運送して荷受人に引き渡すことを約し、荷送人がその結果に対してその運送費を支払うことを約することによって、その効力を生ずる(商法570条)。
運送品がその性質または瑕疵によって滅失し、または損傷したときは、荷送人は、運送賃の支払を拒むことができない(商法573条2項(改正))。
荷受人は、運送品が到達地に到着し、または運送品の全部が滅失したときは、物品運送契約によって生じた荷送人の権利と同一の権利を取得する(商法581条1項)。
荷受人は、運送品を受け取ったときは、運送人に対し、運送賃等(運送賃、付随の費用および立替金/574条括弧書き参照)を支払う義務を負う(商法581条3項)。
株式会社を設立するには、発起人が定款(原始定款)を作成し、その全員がこれに署名し、または記名捺印しなければならない(26条1項)。
支店の所在地は定款に記載または記録する必要がない。
株式会社の負担する設立に関する費用(設立費用)は、会社法26条1項の定款(原始定款)に記載し、または記録しなければ、その効力を生じない(28条4項)。
もっとも、定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものは除かれる(28条4号括弧書き)。
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店および支店)に備え置かなければならない(31条1項)。
- 「発起設立」においては、払込みの取扱いをした銀行等は、金銭の保管に関する証明義務を追わない。
- 「募集設立」においては、発起人は、払込みの取扱をした銀行等に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができ(64条1項)、証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なることまたは払い込まれた金銭の返還に制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない(64条2項)。
- 「発起設立」において、設立時取締役の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する(40条1項)。
- 「募集設立」において、設立時取締役の選任は、創立総会の決議によって行われる(88条1項、57条1項)。
- 株式会社は、「発起設立」においても、「募集設立」においても、登記をすることによって成立する。
- 役員(取締役、会計参与および監査役をいう)および会計監査人は、株式会社の普通決議によって専任する(329条1項、309条1項)。もっとも、役員を選任し、または解任する株式会社の決議は、議決権を行使することのできる議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない(341条)。
- ①累積投票(投票者に対して複数の投票券を与え、1の候補者に複数投票しても良いし、別の候補者に分散して投票しても良い。少数派が当選できる可能性が生まれる。)により専任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合または②監査等委員である取締役もしくは③監査役を解任する場合は、株主総会の特別決議によらなければならない(309条2項7号)。
- 取締役会設置会社以外の株式会社における株主総会は、会社法に規定する事項および株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる(295条1項)。
- 取締役会設置会社における株主総会は、会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り、決議をすることができる(295条2項)。
- ①株主総会に出席しない株主が書面または電磁的方法によって議決権を行使できる旨を定めた場合、②株式会社が取締役会設置会社である場合には、株主総会の招集の通知は、書面でしなければならない(299条2項)。
- 株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる(300条本文)。ただし、株主総会に出席しない株主が書面または電磁的方法によって議決権を行使できる旨を定めた場合は、この限りではない(300条但書)。
- 株式会社は、自己株式(株式会社が有する自己の株式/113条4項括弧書き参照)については、議決権を有しない(308条2項)。
- 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる(議決権の不統一行使/313条1項)。もっとも、株式会社は、株主が「他人のために株式を有する者」(証券会社が顧客の委託を受けて議決権を行使する場合など)でないときは、当該株主がその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる(313条3項)。これに対し、株主が「他人のために株式を有する者」であるときは、株式会社は、議決権の不統一行使を拒むことはできない。
- 株式会社の債権者は、株主総会の決議の取消しの訴えを提起することはできない。
「役員選任の総会決議取消しの訴が係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消を求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなったときは、右の場合に該当するものとして、特別の事情のないかぎり、決議取消の訴は実益なきに帰し、訴の利益を欠くに至るものと解するを相当とする。
- 公開会社においては、取締役が株主ではならない旨を定款で定めることができない(331条2項本文)
- 非公開会社においては、取締役が株主ではならない旨を定款で定めることができる(331条2項但書)
- 親会社の取締役が子会社の取締役になることは禁止されていない。
- 株主総会の目的である事項が2人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査委員である取締役またはそれ以外の取締役)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。)は、定款に別段の定めがある時を除き、株式会社に対し、累積投票により取締役を選任すべきことを請求することができる(342条1項)。
取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面または電磁的方法により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社においては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。
- 取締役会設置会社(監査役設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、取締役会議事録の閲覧または謄写の請求をすることができる(371条2項)
- 監査役設置会社・監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、取締役会議事録の閲覧または謄写の請求をすることができる(371条3項)
取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)において、
- 取締役の数が6人以上であり、かつ、
- 取締役のうち1人以上が社外取締役
である場合には、取締役会の決議により、
- 重要な財産の処分および譲受け
- 多額の借財についての決議
につき、あらかじめ選定した3人以上の取締役(特別取締役)をもって行うことができる旨を定めることができる。
取締役会設置会社(取締役過半数が社外取締役である監査等委員会設置会社を除く)においては、取締役会は、「支配人その他の重要な使用人の選任及び解任」の決定を取締役に委任することはできない。
大会社である取締役設置会社においては、取締役会は、いわゆる内部統制システムの整備について決定しなければならない。
- 取締役は、自己または第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引(競業取引)をしようとするときは、株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において、当該取引につき重要な事項を開示し、その承認を受けなければならない(356条1項1号、365条1項)。
- 民法108条(自己契約・双方代理)の規定は、承認を受けた利益相反取引については適用されない(356条2項(改正))
- 取締役の利益相反行為によって株主総会に損害が生じたときは、その取引をした取締役は、その任務を怠ったものと推定される(423条3項1号)。これは、利益相反取引について会社の承認を受けている場合であっても変わらない。
- 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任および解任に関する議案の内容を決定する(404条1項)
- 監査委員会は、①執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成、②株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を選任しないことに関する議案の内容の決定を行う(404条2項)
- 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する(404条3項前段)。執行役が指名委員会等設置会社支配人とその他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする(404条3項)。(監査委員の報酬は除外)
- 取締役の選任は、監査委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない(329条2項)
- 監査委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる(399条の14)
- 役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役または会計監査人/423条1項括弧書き参照)の株式会社に対する損賠賠償責任(任務懈怠責任)は、総株主の同意がなければ、免除することができない(424条)。
- 自己のために会社と直接取引した取締役の株式会社に対する損害賠償責任(任務懈怠責任)は、任務を怠ったことが当該取締役の責めに帰すことができない自由によるものであることをもって免れることができない(428条1項、無過失責任)
- 役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役または会計監査人/423条1項括弧書参照)の株式会社に対する損害賠償責任(任務懈怠責任)について、株主総会の特別決議(309条2項8号)によって責任の一部免除をすることができるのは、「当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない時」に限られる(425条1項柱書参照)
6カ月前から引き続き株式を有する株主(公開会社でない株式会社では保有期間の要件は不要、1株でも良い)は、原則として、当該会社に対し、責任追求の訴えの提起を請求することができる(847条1項本文、2項)
吸収合併の効力発生日の6カ月前から発生日まで引き続き当該株式会社の株主であった者(公開会社でない株式会社では保有期間の要件は不要)は、 当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該株式会社が消滅会社となる吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するときは、原則として、当該株式会社に対し、責任追及等の訴え(吸収合併の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任または義務に関するものに限る。)の提起を請求することができる。
6カ月前から引き続き株式会社の最終親会社等の総株主の議決権の100分の1以上の議決権を有する株主(公開会社でない株式会社では保有期間の要件は不要)はまたは当該最終完全親会社等の発行株式の100分の1以上の数の株式を有する株主は、原則として、当該株式会社に対し、特定責任にかかる責任追及等の訴えを請求することができる。(子会社の取締役の責任追及)
- 監査役設置会社では、監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をし、またはこれらの行為をするおそれがある場合おいて、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる(385条1項)。これは、監査役会の承認を受ける必要はない
- 監査役設置会社、監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社において、6カ月前から引き続き株式を所有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をし、またはこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめるよう請求することができる(360条1項3項)
- 監査等委員設置会社では、監査等委員は、取締役が監査等委員設置会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をし、またはこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査委員等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめるよう請求することができる(399条の6第1項)。これについて、監査等委員会の承認を得る必要はない。
LECの「科目別答練」の内容について
この答練は、以下のような内容になっています。
- 試験は自宅で受験(90分)
- 回答はマークシート、5肢択一式30問
- 回答済みマークシートをLECに郵送すると、合計20回の締め切り期間ごとに集計され、成績表が返送される。WEBにランクも掲載される
- 最終締切は2020年10月9日
- 試験は7回分(行政法2回、民法2回、憲法・基礎法学1回、商法会社法1回、一般知識1回)
LECの行政書士 2020年合格目標:科目別答練【通信】へのリンク
下のリンクからLECの詳細ページへ移動できます。
[tsnccd post_id=”4592″]