【行政書士試験】『肢別過去問集』14周目で間違えた問題(民法)

今日はTACの『肢別過去問集』の14周目、民法総則から民法担保物件まで学習しました。

今日の民法は絶不調で9問も間違えてしまい、付箋の数が増えてしまいました。

現在、間違えた問題に貼ってある付箋の数は合計25枚です。(昨日は23枚でした)

今日はその間違えた9問のなかから民法の過去問を紹介します。

『肢別過去問集』14周目で間違えた問題(民法)

成年被後見人

Q

成年被後見人が、成年後見人によって営業を許可され、その営業の範囲内でなした行為は、取り消すことができる。(平10 問27 肢オ、平7 問27 肢2)

A

超基本的な問題なのですが、私には鬼門で、14回中11回間違えています。

成年被後見人の法律行為は、民法9条にあるように、日用品の購入その他日常生活に関する行為以外は、すべて取り消すことができることになっています。

民法9条 成年被後見人の法律行為

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる

ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

ところが、この問題の前に、未成年の法律行為の問題があり、特に、未成年は営業を許可されると、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有することになり、取り消すことができなくなるという規定があるので、これと成年被後見人を混同してしまいがちです。

民法6条 未成年者の営業の許可

①1種又は数種の営業を許可された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

②前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第4編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

無権代理の相手方の催告権

Q

無権代理人が契約をした場合において、相手方は、代理権のないことを知らなかったときに限り、相当の期間を定め、当該期間内に追認するかどうかを確答することを本人に対して催告することができる。

A

無権代理の相手方ができることといえば、

  • 本人に対して追認を催告
  • 契約を取り消す
  • 無権代理人に責任追及(履行又は損害賠償を請求)

の3種類のアクションが取れるわけですが、それぞれ、その相手方の善意・悪意の要件が異なっていて、私はその要件をきちんと覚えていませんでした。

それぞれ、条文を確認してみましょう。

民法113条 無権代理

①代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。

②追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗できない。

ただし、相手方がその事実を知っていたときは、この限りでない。

民法114条 無権代理の相手方の催告権

前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。

この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

このように、無権代理人が本人に催告する場合は、相手方の善意・悪意は問われていません。なぜなら、無権代理が行われると、113条にあるように、

  • 本人が追認をすれば契約がはじめから有効
  • 本人が拒絶をしたら契約が無効

という状態にあり、相手方にとっては、本人が追認する・拒絶するによって無権代理行為の趨勢が決まるという不安定な地位にあるので、善意・悪意をとわず追認の催告ができるのです。

民法115条 無権代理の相手方の取消権

代理権を有しない者がした契約は、本人が追認しない間は、相手方が取り消すことができる

ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りではない

無権代理の相手方は、無権代理人が代理権を有しないことを知っていたときに限り、取り消しができません。

つまり、善意または有過失でも取り消すことができます

民法117条 無権代理人の責任

①他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う

②前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

1 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき

2 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき

ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りではない。

3 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

相手方が無権代理人の責任(履行又は損害賠償請求)を追求する場合、相手方が無権代理人が代理権を有しないことを「知っていた」または「過失によって知らなかった」とき、つまり、悪意またあは有過失の場合は追求できないとなります。

ただし、「他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたとき」つまり、無権代理人が自分に代理権がないことを知っていたときは、相手方は責任追求ができるという条文が、改正により追加されましたので、注意が必要です。

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